てるてる氷解ブログ

人生の氷河期を乗り越える  雑記ブログ

東証プライム経過措置の記事を読んで

2022年4月4日から、東証の4区分が3市場に再編されました。

これまでの「1部・2部・マザーズ・ジャスダック」の区分が「プライム・スタンダード・グロース」になりました。

これにより、東証一部上場企業数2175社のうち、プライム市場へ上場したのは、1837社です。

 

しかしそのうち、295社が、プライム市場への上場基準を満たしていないにもかかわらず、プライム市場に移行しています。

基準未達でも、基準適合に向けた報告書が受理されれば、プライム市場に移行できる「経過措置」という仕組みです。

基準に到達していない企業に配慮したことになります。

 

しかし、この経過措置、期限が設けられていません。

つまり、基準未達のままいつまでもプライム市場にいれることになります。

これは、当初から批判がありました。

 

そもそも配慮する必要あるのか、という疑問があるのですが・・・。

それが、ようやく具体的な期限を設ける方向に動いているというニュースを見ました。

それを読んで、日本企業が弱い理由がわかったような気がします。

 

プライム基準未達企業幹部のコメントにがっかり

そのニュース記事を読んだのですが、経過措置期限に対しての、プライム基準未達企業の幹部のコメントを読んで、力が抜けました。

「相場変動に左右されずに基準を維持できる経営体質にするには相当の時間が必要だ。改善に向けた経営努力を評価し、一律に切り捨てるような期限設定は避けてほしい」

 

・・・

うそでしょう。上場企業の役員がこんな認識・・・。

何回か読みなおしましたよ。

 

力のない企業を外すための上場再編

そういう力のない企業を外すための再編だったかと。

 

切り捨てって・・・別に株式上場廃止ではなく、スタンダードやグロースには上場できるのですから。

プライムの基準を満たせる企業規模になるまで、プライムに置いといてって・・・。

甘すぎる、と言わざるをえないかと。

実がないのに、プライム市場上場というステータスだけ欲しがっているのです。

 

「相場変動に左右されず、基準を維持できる」レベルに足りていないので、プライムから外れるのは、当然です。

維持できないからプライム市場から外れるのに、維持できないことをもってプライム残留を主張するという、訳の分からないことを言うこの幹部は、なんなのでしょうか。

1部上場企業の幹部レベルでこれって・・・。

 

プライムに上場したいなら、経営努力し、基準をクリアしてから改めてプライム市場へ申請すればよいのです。

 

さらに言うと、経営努力の評価は、投資家がします。

東証は、基準を設けて市場を分けているだけです。

 

投資家の評価がよければ、株価が上がり、時価総額が上がります。

この企業が、何の項目が基準に満たせていないのかわかりませんが、投資家の評価を得て、企業規模をプライム市場に相応しいレベルまでもっていけばよいのです。

東証に評価を求めるなと。

 

日本企業の競争力がなくなるのも納得

一部上場の企業幹部ですら、このような考えであるところに、日本のぬるいところが見えた気がします。

そりゃ競争力もなくなりますよね。

せめて、「プライム市場になれるよう、会社を成長させます」ぐらい言ってもらわないと。

 

このような企業に配慮していては、”プライム市場上場”という特別な価値もなくなり、再編した意味がなくなります。(そもそも投資家からは意味ないと言われていますが)

個人的には、この程度の考えの企業に配慮する必要性はないかと。

 

経過措置は不要

そもそも経過措置はいらないです。

むしろ、基準を厳しくし、基準を満たせない企業は、機械的にスタンダード、グロースに落としてよいかと思います。

 

日本の市場はぬるいと言われていました。

廃止基準が甘く、一度上場してしまえば安泰でした。

粉飾決算しても上場廃止しないこともあります。

 

粉飾決算とは、虚偽の決算報告です。

投資家は、決算を持って企業の現状を把握します。

それが嘘ということであれば、当然投資家は、そのようなことをする企業に投資しません。会社発表の情報が信用できなくなるので。

もちろん、上場は廃止が妥当です。

虚偽の報告をする企業を残すと、市場の健全性が損なわれますから。それが居残るということは、上場に信用がなくなります。

(東証一部上場だから大丈夫という信頼が→上場していても安心できない。粉飾決算してても上場してるし、と)

 

それに対しての、今回の再編だったはずなのですが。

投資家からの信頼を得、海外投資家を呼ぶ、流動性を高める、と・・・。

経過措置などしないで、もっと厳格にして欲しいものです。

厳しいからこそ、そこに座れることに意義があるのです。

 

あとがき

やはり東証一部上場は、終わっていましたね。

一部上場企業幹部が、この発言・・・一度上場すれば安泰のぬるま湯に浸かっていた結果でしょう。

再編は必要措置です。