先日、こんなニュースを読みました。
「月給35万のはずが17万。労働基準法違反で会社に支払い命令」
経緯
・男性が求人サイトを閲覧し、会社へ応募。
・月給35万~50万円(残業代含む)、週休二日制。
・面接でも同様の説明を受けた。
・勤務開始1か月後、会社から示された雇用契約書
「基本給16万~25万円」
確認したところ、口頭で、月給は35万と確認。
・しかし、3か月間の試用期間中は、月給25万。
試用期間終了後は、17万円に減少。減額理由の説明なし。
男性は、求人サイトの内容で雇用契約した、と訴え。
会社側
「求人サイトの広告は、閲覧者を増やすために給与額を高く表示しただけ。雇用契約の労働条件に当たらない」
と争う姿勢。
→結果、男性が勝訴。会社側に支払い命令。
会社側があきらかにおかしい
会社側の言い分である
「求人サイトの広告は、閲覧者を増やすために給与額を高く表示しただけ」
・・・
この会社、おかしいですw。
この言葉、自らを求人詐欺であると主張していますw。
つまりは
「求人サイト掲載情報は嘘で本当は違うのです。これは求職者をだますために書きました」
と言っているのですw。
何故この理屈で裁判を争おうと思ったのかw。
仮に、仮にですが、
「求人サイトの広告は~表示しただけで、実際は違う」
という理屈が通るとしたら、
ならば面接時、雇用契約時に言った言葉はどうなるのか、という話です。
「35万円です」
と会社側が言ったと、男性は主張していますから。
会社側の主張(求人サイトの広告は~表示しただけで、実際は違う)を通すなら、会社は、
「求人情報、面接時の言葉、契約時の言葉は全て嘘。全て騙す意図がありました」
と認めているに等しいのです。
何を言っているんだこの会社はw。
これで勝てると思ったんでしょうかw。
男性側もちょっと迂闊だったとはいえ・・・
男性側も、条件の違う雇用契約書にサインするのは、ちょっと迂闊でしたね。
口頭は証明が難しいですし、それこそ、「この条件でサインしただろ」と言われたら、しまいですから。
とはいえ、求職者側が会社に対して強く言うのも難しいですけどね。
会社に主張しようとしても、会社側の心証を悪くしたくない、と考えて、躊躇してしまうでしょうし。
また、この男性、46歳とのことで、就職氷河期です。
・・・口頭で大丈夫、と言われたら、会社の心証を悪くするのを恐れて、それ以上追及せずにそのまま流されるのも理解できます。
というか、そもそも、会社側も契約書に「16~25万円」ってあいまいに書くのもどうなんだ、って話ですが。
明確に「17万円」と書けよと。
(この会社、少し前に労働基準監督署から「あいまいな表現はやめろ」、と是正勧告を受けていたらしいです)
私も経験あります
私の場合、勤務開始してから判明したわけではなくて、面接の時点で求人情報と違うことが分かったのですが、求人情報と実態が違う会社をそれなりに見てきました。
何度か指摘しました。
「求人情報にはこう書かれていましたが」
という風に聞いたことはあるのですが、ある会社は
「こう書かないと誰も来てくれないじゃん。こんなのどこもやってるよ」
と、のたまってましたw。
まあ、他に同じようなことをしている会社も、この程度にしか思っていないのでしょうね。
来てくれないとわかっているぐらい悪い待遇なら、そこを改めなさいよ、と・・・。
そこは、接客業だったのですが。
私は、今後、絶対にその店は利用しません。
常套句「どこもやっている」
今回のニュースの会社も、あんな言葉で争う姿勢を示したあたり、本気で求人詐欺が正しいと考えているのでしょう。
「求人詐称ぐらいどこもやっているでしょう」
と。
いやいや、求人情報と差異のない真面目な会社もありますよw。
ブラック企業の常套句なんですよねw。
「よそも同じ」
「よそもやってる」
というセリフ。
どこもやってようが、詐欺は詐欺です。
例えば、スピード違反した人間で、このセリフを吐く人間は多いみたいですが、
他の人間がやってようが関係ありません。
当人が違反したのは間違いないので捕まります。
皆がやっているからやってよい、という理屈は通りません。
犯罪は犯罪です。
あとがき
民間の求人サイトだけでなく、ハローワークでも平気でこういう求人ありますからね。(経験あり)
もっと厳格に取り締まってもいいと思いますね。
裁判までもっていかないと罰を与えらえれない、のではなく、判明したら掲載禁止。
労働基準監督署から、是正勧告。
それなりの額の罰金。(少額なら詐称し続けたほうが得になってしまうため)
求人サイト側にも罰則があってもいいと思います。
「求職者の訴えがあるにも関わらず対処しなければ罰則」
等。
民間の求人サイトは、企業側からお金をもらうので、ブラック企業だろうが、求人詐欺しようが、掲載し続けますからね。